特別講演会のお知らせ ~バイオメカニクス懇話会第17回講演会~


                                                                  2014.12.12

                                                          日本機械学会北海道支部
                                                             支部長 岩本 隆志

 この度下記の通り特別講演会を開催いたします。
皆様ふるってご参加くださいますようご案内申し上げます。


主 催 : 日本機械学会北海道支部 バイオメカニクス懇話会
         主査 : 大橋俊朗 (北海道大学大学院工学研究院)

共 催 : 日本機械学会北海道支部,日本機械学会バイオエンジニアリング部門「計測と力学-生体への応用」研究会,
日本生体医工学会専門別研究会「バイオメカニクス研究会」

日 時 : 平成27年2月19日(木),14:00~17:00


場 所 :北海道大学大学院工学研究院・工学部   A棟大会議室A1-17室

           (札幌市北区北13条西8丁目)

講 演:

14:0015:00

「Biomaterials and Soft Tissue Engineering

Prof. Geoff Stevens      (The University of Melbourne, Australia   Laureate professor 

Although significant advances have been made in tissue engineering and biomaterials over the past decade, the goal of regenerating a vascularised three dimensional soft tissue remains
elusive. This presentation will expose the material issues both mechanical and surface chemistry to control immune response and biodegradation and show that coating technologies
can be used in the short term to control immune and wound healing response, and are useful for drug and growth function delivery. Also there will be a description of a series of
experiments where biodegradable scaffolds have been used as the basis for regenerating breasts damaged during mastectomy.

15:0016:00

「脂肪細胞の機能を制御する脂肪滴の動き」

永山 昌史 博士(理学)(北海道教育大学・旭川校 准教授)

 脂肪細胞は,生体内で脂肪蓄積を担う細胞であり,直径が100 mmを超えるような巨大な脂肪滴で細胞質のほとんどが占められている.この脂肪滴は生理的に不活性なただの「脂肪貯蔵庫」ではなく,脂肪細胞にとって形態的・機能的に最も重要な細胞小器官である.つまり,形態変化や動きといった脂肪滴の動的性質が脂肪細胞における糖・脂質・エネルギー代謝の調節・制御機構の一端を担っていることが示唆される.

以上を背景とし,我々は脂肪滴の動的性質を切り口とした脂肪細胞の機能解明に取り組んできた.これまでに,脂肪分化にともなう脂肪滴の生成・成長過程および脂肪分解にともなう脂肪滴の収縮・消失過程をタイムラプス顕微鏡観察することに成功している.これらの結果を詳細に検討したところ,従来のモデルとは異なる挙動を示すことが明らかとなった.本講演では,脂肪滴の挙動を動画で紹介するともに,脂肪滴の動的性質と深く関連しているであろう細胞質内の力学的な環境についての意見交換をしたい.

 

16:0017:00

「歯の表面で微細構造をつくる:歯科治療応用を目指した微細構造への

 細胞接着の検討」

赤坂 司 博士(工学)(北海道大学大学院歯学研究科生体材料工学教室 准教授)

歯周病などが原因で歯肉退縮が進行すると歯が脱落し,QOLを大きく損ねることとなる.治療として歯肉移植などの手術での回復が行われているが患者への負担は大きいものの,それ以外での簡単な治療法は現在のところない.もともと歯の表面には様々な微細構造が存在し,歯を支え歯肉との界面を保持する役割を持つ歯根膜には歯の表面からコラーゲン線維が垂直に配向する微細構造が存在する.もしコラーゲン線維の垂直構造が歯科治療の範囲で再現できれば,歯肉退縮の治療法に繋がる可能性がある.

本研究では,これらの微細構造を参考として歯科材料やバイオマテリアルにてマイクロ・ナノ構造をつくり,歯肉細胞が強く接着する構造や配向したコラーゲン線維を産生する構造をつくることを目指している.本講演では,歯科用コンポジットレジンやコラーゲンへのナノインプリント法を用いたマイクロ・ナノパターンの転写法を紹介するとともに,得られたパターンへの歯肉細胞の接着挙動を紹介する.

 

問い合わせ先:

日本機械学会北海道支部 事務局 武澤  jsme-hk@eng.hokudai.ac.jp

前田英次郎 北海道大学大学院工学研究院人間機械システムデザイン部門 Tel&Fax: 011-706-6427, Email: e.maeda@eng.hokudai.ac.jp