2015年度 第56期 北海道支部長よりご挨拶

 

2015.5.1

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56期北海道支部 支部長 大橋 鉄也(北見工業大学)

 

本年4月,久保司郎前機械学会会長から機械学会フェロー会員あてにグッドニュースとバッドニュースと題したメールが配信されました.内容は学会経理の好転と会員数減少でした.会員数減少は多くの学会が直面していて,学会の健全性まで損なわせかねない大きな問題です.この度,岩本前支部長の後任として第56期北海道支部長を仰せつかりましたので,ご挨拶に代えてこのことに関する考えを述べさせていただきます.

 会員個人から見た学会の価値はどこにあるでしょうか.そもそも,会員である価値はあるでしょうか.私自身の経験や価値観から言うと,大いに価値はあるのです.しかし,どの様なものでも,価値は個人個人が見いだすものであって,学会もそうです.学会員であるだけでは大きな価値は生じないでしょう.利用してこそ価値が生じます.しかし利用のしかたが分からない,利用のチャンスがない?これが会員数減少に向かわせる負の駆動力なのではないでしょうか. 

 学会が果たしている主要な役割の一つとして,コミュニケーションの場の提供があります.技術者,管理者,研究者,学生,シニアなどそれぞれの環境や立場からの発言,発表などがあり,それらに対する応答がある,そのような場を提供するのが学会というものの一つの姿かと考えます.このようなコミュニケーションの結果,単なる情報の授受を越えて,個人個人や企業の内部に何かが誘発されるということがありえます.これが価値を生み出すのではないでしょうか.別の言い方をすれば,価値創造を可能とするコミュニケーションの場を提供するのが学会の機能であり,この機能をどの様に利用するかは会員自身がそれぞれ見いだすものと言えます. 

 
機械学会北海道支部ではコミュニケーションの場の提供という考え方を中心にして,セミナー,フォーラム,見学会,学生会活動,中学・高校生・一般市民を対象とした啓蒙・教育活動などを進めるとともに,昨年度発足したシニア会からの寄与も期待しながら活動を展開して参ります.本年度は日本機械学会年次大会が北大を会場にして開催される予定です.会員の皆様のコミュニケーションが盛んになるよう支部として出来るだけのことをしてゆきます.支部会員の皆様も学会の価値の発掘を大いに進めていただければ有り難いと考えております.


                                                          以上